note | 海外客への「海苔/nori」のススメ方〜海苔が消化できるのは日本人だけって本当?〜

「What shop is this ?(ここは何のお店ですか?)」
  『This is a seaweed shop.(ここは海苔屋です。)』
「Seaweed ! Amazing ! (海苔!凄いですね!)」
     『Would you like to try tasting seaweed ? (海苔の食べくらべしますか?)』
「No thank you, I am not good at seaweed. (海苔は苦手だから大丈夫です、ありがとう。)」

この会話のやり取りはぬま田海苔、合羽橋店でよく見られる海外客との1シーン。
「海苔が大好き!」という海外の方、実は少ないんです。
それはなぜ...?そもそも海外客は海苔を消化できない...?
今回はそんな疑問や噂に対して、
海外客から見た日本の「海苔」へのリアルな反応、
現在ぬま田海苔が海外客に取り組んでいる事など、

お伝えしていきたいと思っています。
ご興味ある方は本日もゆるりとお付き合いください。

 

【ぬま田海苔における海外客の割合】

「30%」
これはぬま田海苔における海外客の売上シェアです。
合羽橋道具街を訪れる全体の4~5割近くが海外からのお客様ではないでしょうか。中には売上が5割を超えるお店もあります。

そんな合羽橋のトレンドから見ると、ぬま田海苔のシェアは少し低め。
上記のやり取りの様に、試食まで繋がらないケースが多いからと感じています。

国別に見た海外客の割合 TOP3
1. 台湾・・・30%
2. カナダ・・・18%
3. オーストラリア・・・12%

国別では台湾が1番。「海苔好きが多い」「美食への追求が強い」「日本文化への興味が強い」事などが理由としてあげられます。みなさん看板の「海苔」の文字を見ただけで入店、若い方から年配の方まで年齢層もバラバラですが、海苔を食べると素敵な笑顔になります。中には去年放送のスーパーJチャンネル (テレビ朝日) でぬま田海苔を見て台湾から来た、という方も。これには母とびっくりしました(笑)

次にカナダ。特に多いのは日系、中国系の方です。「小さい時からいつも海苔食べてたの」「よく家で寿司を作るよ」と海苔との関係性が強い方が多く、お土産に好まれます。「宿泊しているホテルまでダンボールいっぱいに詰めて発送してくれ!」なんて方もいました。

他にもアジア圏からは香港、中国、韓国、シンガポール、タイ、マレーシア、フィリピン、インド、インドネシアなど。
ユーロ圏からはベルギー、オーストリア、オランダ、スイス、イタリア、スペイン、ポルトガル、ノルウェー、デンマーク、スウェーデン、ロシアなど。
中南米からはメキシコ、コロンビア、チリ、アルゼンチン、ブラジルなど。
店舗OPENから1年、様々な国の方々にぬま田海苔をお買い上げいただいてきました。

【海苔が苦手な理由】

前述の国名を見ると、苦手な割には海苔を買っている海外客多いな、と感じませんか?
実は試食した方は半数以上、購入に繋がっているんです。
では一体何が苦手なのでしょうか...?

「黒い見ためが好きでは無い」
「磯の香りが苦手」
「歯にまとわりついて食べにくい」

一般的に海外客の海苔を苦手とされる理由は上記となりますが、私がこの1年海苔屋で感じた理由は以下の様になります。

「海苔の美味しさを知らない」
「食べ方がわからない」
「栄養価を知らない」

実際にぬま田海苔で初摘み海苔を食べた時の反応は「こんなに口溶けするの!」「味付けしていないのに美味しい!」と非常にポジティブです。
海外に美味しい海苔は少なく、というより日本の海苔自体が海外に少なく、口にする機会が無いようです。なので「海苔=美味しい食べ物」という認識があまりありません。
食べ方に関しても「海苔=寿司」と日本食にしか合わないと思われているため、食べる機会が限られています。

そして今、栄養価の高い食べ物、スーパーフードが世界的にも人気がありますが、海苔が日本のスーパーフード、健康食であるということもほとんど知られていません。

海外の方から見ると、海苔はまだ「よくわからない食べ物」なのです。
知らない物を好きになったり、興味を持つことは難しいですね...。

でも考えようによっては「可能性を秘めた食べ物」でもありませんか?
可能性を解き放つぬま田海苔の提案はここから。

【海苔に合うのはご飯だけではない!ぬま田海苔の取り組み】

では海外の方に海苔の魅力を知ってもらうために、できることとは?
ここで私たちぬま田海苔の取り組みをご紹介いたします。

まず、入店してもらうためには?
食べてもらうためには店内に入ってもらわないといけません。そのために作成したのが英語版のパンフレット。
英語が苦手な私の母親でもこのパンフレットを使いながら店内に呼び込めるようになりました。
「初摘み海苔」「味付けしていない」「異なる味の食べくらべ」
こういったワードに興味を持ち、最初の1枚を食べて皆びっくりします。
これが日本の海苔の美味しさなのかと。

興味を示したら次に食べ方の提案。
「海苔に合うのは白いご飯!」
米を主食とする日本人なら誰でもこの一択ではないでしょうか?(笑)
そうすると、寿司、おにぎりなどご飯を使った料理に海苔の食べ方は限定されてきます。
でも実は、海苔に合う食べ物は色々とあるんです。
特にオススメしたいのがチーズやバターなどの乳製品、相性は非常に良いです。
こっちの方が主食の海外の方、もちろん日本の方にもチャレンジして欲しい組み合わせです。

ただチーズと海苔なら何でも良いというわけでは無いんです。
この等級や味の海苔にはこのチーズやバターといった、「乳製品と海苔のペアリング提案」をぬま田海苔では今取り組んでいます。

《芦刈壱◯2 & ゴーダチーズ》
◯等級の中でも特に柔らかいこの海苔の食感とセミハードのゴロッとした食感がちょうど良く、口の中でゴーダのマイルドなコクと海苔の旨味が一緒に溶けていきます。

《芦刈壱重1 & モッツァレラチーズ》
重等級ならではのバリっとした食感のこの海苔にはモチモチ感のあるモッツァレラが程よく合います。さっぱりとした味わいに海苔の旨味がプラスされ、お好みでオリーブオイルやペッパーを足せばまた違った味わいに。チーズ版磯部餅のような提案です。

《大和北◯優① & エシレバター》
ぬま田海苔の中でもピリッと塩気の効いた旨味の強いこの海苔には濃厚なコクのエシレバターがベストマッチ。有塩にすればより強い味わいのハーモニーを感じることができます。

この提案をはじめてから、海外客の海苔への関心は一気に高まりました。写真付きの英訳サインも置き、よりわかりやすくしています。
「国に帰ったらやってみるよ!」と自分の分はもちろん、お土産にも「軽くていいわね!」と選ばれる方が増えました。
最初「3割」程度だった海外客の購入率も今では「6割」。半数以上の方が購入するようになりました。

これは口どけの良い初摘み限定で様々な等級の海苔を使っているぬま田海苔だからできる提案かもしれませんが、「自分たちの良さを活かした提案」というのが、やはり大切だなと感じました。

ちなみに海外客で実際に海苔とチーズペアリングを試してくださった方の投稿写真はこちら。良く見ると、合わせるチーズの名前がステッカーにメモしてあります(笑)
※ 写真の海苔は、現在は全て完売となっております。

※ 海苔の等級に関して詳しく知りたい方はこちらの記事をご参照ください!

【海苔を消化できるのは日本人だけ?】

これは日本のお客様から多い質問の一つで、なんとなく聞いたことがある方も多いと思います。実際に色々と調べた中では、

「焼き海苔は誰もが消化できる」
が正解です。

「生の海苔を消化できるのは日本人だけ」
という説が非常に多いため、混ざってしまっているようです。

2010年にフランスの微生物学研究チームが「生海苔を消化できるのは日本人だけ」という研究結果を発表しています。ざっくりお伝えすると、生海苔の成分を分解できるバクテリアを腸内に宿しているのが日本人だけ、とのこと。
これには日本の古来からの食文化が関係しています。
遡ることなんと飛鳥時代、この頃からずっと日本人は生海苔を食べて続けてきました。
数百年以上にわたり食べ続けたことで、バクテリアを体に宿すことができた様です。

しかしながら、これは研究対象となる日本人も、それ以外の国の人も少ないため、全ての日本人とも、日本人だけとも言いきれないのでは?との説もあります。

一部の日本人が生海苔を消化でき、調べればまだ他の国にもいるかもしれない」
という表現が一番正解に近いかと思います。

ちなみに生海苔に火を通すことでバクテリアがなくても消化できるようになるため、誰でも消化できるようです。

焼き海苔なら世界中の方が安心して食べられる、という事ですね。

【美味しいは万国共通】

そんな取り組みもあってか、おかげさまで海外からのリピーター、口コミ来店が増えつつあります。

「海苔が大好きになったよ!」とオーストリアからすでに3回も買いに来たリピーターの方
口コミで香港から早朝成田に着いて11時OPENと同時に真っ先に買いに来てくださった方、
「ぬま田海苔をお土産で買ってきてと頼まれたのよ」というオーストラリアからの方、
「シンガポールに転勤になったから最後に家族で海苔買いに来たよ」というイタリアの方、
「チーズ合わせでこの海苔食べたら美味しかったからまた来たの」という韓国からの若いカップル、などなど。

「美味しい」は全世界共通なんですね。

そして中にはこんなスペシャルゲストも!詳しくはInstagramの投稿をぜひご参照ください。

《ダレン・マクリーン》
カナダで著名な日本食レストラン『Shokunin』のオーナーシェフで、Netflixの「the final table」のファイナリスト。

ダレンからぬま田海苔についての投稿もありました!本当に嬉しいです。

《ロジャー・ヴァンダム》
ベルギーのアントワープにあるミシュランの星つきレストラン『het gebaar』のオーナーシェフで、2017年のザ・ベスト・シェフ・アワードのパティシエ部門で世界1位。「チョコレートの魔術師」と評されています。

ダレンやロジャーは「Seaweed」ではなく、「Nori」と言ってくれていました。彼ら一流の料理人からすると日本の「Nori」は完全に別物なんだと。
とても誇らしい、嬉しいことです。

日本が誇る伝統食である「海苔」を
日本の食を映し出す街「合羽橋」から
世界中の食卓へ

ぬま田海苔ならではの提案で、これからもお届けしていきたいです。

ちなみに撮影で使用している乳製品は全て馬喰横山にあるパン屋さん、 「BEAVER BREAD」さんで購入しています。 
美味しいパンはもちろん、厳選された食材にも出会えるお店です。ぜひ一度足を運んで見てください。

本日も最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。


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